受け口、様子を見るだけが選択肢じゃない ムーシールドという方法のお話
皆様、こんにちは!院長の大内です。
「うちの子、受け口かもしれない」と気になって歯科医院に相談すると、「まだ乳歯だから、永久歯が生えてくるまで様子を見ましょう」と言われた経験がある方はいませんか?
以前はそれが一般的な対応でした。「永久歯が生え揃ってからワイヤー矯正で治しましょう」という流れが主流だったのです。今でもそのような対応をする医院は少なくありません。
でも親御さんとしては「今のうちにできることはないの?」と思いますよね。
■ 受け口(反対咬合)とは
受け口とは、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態のことで、「反対咬合(はんたいこうごう)」と呼ばれます。子どもの約5%に見られると言われています。
乳歯の時期は「自然に治ることもある」と言われますが、自然に改善する確率は実際には約6%程度と低く、大半のお子さんは何らかの対処が必要です。
受け口を放置すると、下顎の骨が過度に成長しやすい状態が続き、いわゆる「しゃくれ」に近い顔つきになっていくリスクがあります。また、サ行やタ行の発音がしにくい、食べ方に特徴が出るなど、生活面への影響も出てきます。大人になってから治そうとすると、矯正治療では対応できず外科手術が必要になるケースもあります。
■ 「様子見」以外の選択肢として、ムーシールド
当院でお勧めしているのが「ムーシールド」という装置です。
ムーシールドは、寝ている間だけ装着するマウスピース型の装置で、3歳ごろから使用できます。一般的な歯列矯正よりもずっと早い時期から始められることが最大の特徴です。
子どもの受け口は、歯並びそのものの問題というより、舌の位置や唇・顎周りの筋肉のバランスの悪さが原因になっていることが多いのです。ムーシールドはこの筋肉のバランスを整えることで、顎の正しい成長を促し、受け口を改善に導きます。
ワイヤーを使わないので痛みがほとんどなく、装着するのは寝ている間だけ。日中は普通に過ごせますし、見た目を気にする必要もありません。お子さんへの身体的・精神的な負担が非常に少ない治療方法です。
■ 早く始めるほど、効果が出やすい
ムーシールドの治療は、乳歯が生え揃う3歳ごろから始めるのが最も効果的とされています。骨や筋肉が柔らかく変化しやすい時期だからこそ、早期に取り組むことで大きな効果が期待できます。
5〜6歳から始めても効果は出ますが、同じ期間使用した場合、3歳から始めたお子さんの方がより高い改善効果を示すというデータがあります。
「まだ小さいから」ではなく、「小さいうちだからこそ」という考え方が、この治療の根本にあります。
■ 大切なのは「選択肢を知ること」
ムーシールドは保険が適用されない自費診療です。そのことを踏まえて「それでも様子を見たい」という選択をされることは全然構いません。
当院が大切にしているのは、「様子を見ましょう」という選択肢しかお伝えしないのではなく、「こういった方法もありますよ」と選択肢をきちんとお伝えすることです。知った上で選んでいただくことが、親御さんにとっても後悔のない判断につながると思っています。
11歳になる我が子を育てながら、「もっと早く知っていれば」と感じることは歯科の世界でも多くあります。受け口に限らず、お子さんの歯並びや口腔機能について気になることがあれば、まずは一度ご相談ください。今できることを一緒に考えていきましょう。
それでは、次回の更新もお楽しみに。
