お子さんとの食事、一緒に取っていますか? 忙しい親御さんへ伝えたいこと
皆様、こんにちは!院長の大内です。
「一緒に食べられているご家庭は、それだけで十分です。難しいご家庭も、ちょっとした工夫で大丈夫です」
今日は最初にそれをお伝えした上で、お話しを始めます。
忙しい毎日の中で、家族全員が食卓を囲める日ばかりではありませんよね。仕事、家事、兄弟の送り迎え……食事の時間がバラバラになってしまうのは、現代の家庭ではごく普通のことです。
でも、歯科医師の視点から少しだけお伝えしたいことがあります。お子さんの「噛む力」と「顎の発育」は、食事の内容だけでなく、食事の「環境」にも深く関わっているのです。
■ 「噛む」ことの効果は、これだけある
「卑弥呼の歯がいーぜ!」という標語があります。よく噛むことの効果を頭文字で表したものです。
「ひ」……肥満予防(満腹中枢が働き、食べすぎを防ぐ)
「み」……味覚の発達(食べ物本来の味が分かるようになる)
「こ」……言葉の発音がはっきりする(口周りの筋肉が鍛えられる)
「の」……脳の発達(噛む刺激が脳細胞を活発にする)
「は」……歯の病気を防ぐ(唾液がたくさん出てむし歯・歯周病を予防)
「が」……がんの予防(唾液中の酵素が発がん物質を抑える)
「い」……胃腸のはたらきを助ける(消化酵素の分泌を促す)
「ぜ」……全身の体力向上(歯を食いしばる力が全力投球を支える)
噛むことの効果が、これほど全身に広がっているとは驚きですよね。歯と顎の健康は、お口だけの話ではないのです。
■ 「スルメを食べさせれば良い」ではない
「顎を鍛えるためにスルメを食べさせています」という親御さんもいらっしゃいますが、実はそれがベストとは限りません。もちろんスルメが好物なら別ですが、大切なのは「極端に硬いものを与える」ことではなく、「その子の発達段階に合った、適切な硬さのものをよく噛んで食べる」ことです。
幼児期であれば、ごぼうやれんこんなど食物繊維が豊富で歯ごたえのある野菜、大きめに切ったりんごや骨つき肉など、前歯でかじり取る練習ができる食材がおすすめです。
「りんごがシャリシャリって音がするよ!」「○○ちゃんの噛む音、聞かせて!」と声をかけると、食べることへの興味が広がって、硬いものへの挑戦意欲が出てくることもありますよ。
■ 「早食い」と「丸呑み」に気をつけて
噛む力を育てるために、食べ方のクセにも目を向けてみてください。
特に気をつけてほしいのが「早食い」と「流し込み食べ」です。食事中に飲み物をこまめに飲む習慣があると、食べ物を十分に噛まないうちに水分で流し込んでしまいます。以前の記事でもご紹介しましたが、食事中の飲み物は控えめにして、「噛んで、噛んで、飲み込む」という流れを意識してみてください。
また、食事中にテレビやタブレットをつけていると、お子さんの意識が画面に向いてしまい、何となく口を動かしながら飲み込む「ながら食べ」になりがちです。噛む回数が減るだけでなく、食べ物への関心も薄れてしまいます。できる限り、食事中はテレビやタブレットをオフにしてみてください。
■ 親御さんと一緒の食卓が、最高のトレーニング
噛む力を育てるために、実はとても効果的なことがあります。それは、可能な限り親御さんと一緒に食卓を囲むことです。
家族と向き合って食事をすると、自然と食事のペースが合ってきます。親御さんがゆっくり噛んで食べている姿を見て、お子さんも同じリズムで食べるようになります。家族の会話が弾む食卓では、食べるペースが落ち着き、よく噛むことにもつながります。
「でも、仕事や家事でなかなか一緒に食べられない……」という方もいらっしゃいますよね。そんな時は、隣で家事をしながらでも大丈夫です。
「今日のご飯、おいしい?」
「ニンジンとブロッコリーが入っているんだよ」
「どっちが好き?」
こんな一言を食事中に投げかけてみてください。お子さんが答えようとして一瞬手が止まり、食べ物のことを意識する。それだけで、噛む回数が増えたり、食事への関心が高まったりします。「会話がある食卓」は、噛む力を育てる立派な環境です。
■ 毎日の食事が、最高のトレーニング
特別なことをしなくても、毎日の食事の中に噛む力を育てるチャンスはたくさんあります。食材を少し大きめに切る、歯ごたえのある野菜を一品加える、食事中の一言かけ。小さな積み重ねが、お子さんの顎をしっかりと育てていきます。
「うちの子の噛み方が気になる」「顎の発達が心配」という方は、ぜひ「川口かぼちゃ歯科」へご相談ください。噛み方のチェックや、食べ方のアドバイスも一緒に行っています。
それでは、次回の更新もお楽しみに。
