うがいのコップ、家族で共有していませんか? コップの共有と虫歯菌の話
皆様、こんにちは!院長の大内です。
「虫歯菌をうつさないために、食器は分けましょう」という話、一度は耳にしたことがあるかもしれません。でも実は、食器の共有と虫歯菌の感染については、もう少し丁寧に整理して考える必要があります。
今日は「洗面所のうがいコップ」と「食事用の食器」に分けて、それぞれのリスクをお伝えします。
■ 洗面所のうがいコップは、家族でも分けるべき
まず結論から言うと、洗面所のうがい・歯磨き用のコップは、家族であっても一人1個ずつ用意することをおすすめします。
うがいや歯磨きの後は、口の中の細菌・ウイルスがコップの縁に付着しています。風邪やインフルエンザ、口腔内の細菌が、コップを介して家族間に広がるリスクがあります。
さらに、コップに水が溜まったまま置いておくと雑菌やカビが繁殖しやすくなります。共有しているコップは使用頻度が高くなるため、それだけ汚染のリスクも高くなります。
■ うがいコップを衛生的に使うコツ
一人1個ずつ用意できたら、次は保管の仕方も大切です。
使用後は逆さまにして置くか、浮かせて収納するのがベストです。コップを正立(上向き)のまま置くと中に水が溜まって雑菌の温床になります。スタンドやフック、マグネットを使って逆さまにすることで、水がしっかり切れて乾きやすくなります。
数日に1回は食器用洗剤でしっかり洗いましょう。ピンクのぬめりは食器用洗剤では落ちにくいため、塩素系漂白剤での漬け置きが効果的です。
色やデザインを家族で分けておくと「どれが自分のコップか」が一目で分かり、誤って共有してしまうのを防げます。
■ 食事用の食器の共有は「そこまで神経質にならなくてもいい」
一方で、「食事中の食器(スプーンやコップ)の共有で虫歯菌がうつる」という話については、近年考え方が変わってきています。
日本口腔衛生学会は「食器の共有を避けることによる虫歯発生予防の科学的根拠は強くない」という見解を示しています。
その理由は、このブログでも以前お伝えしたように、口腔内の細菌は離乳食が始まるずっと前の生後4ヶ月ごろにはすでに定着しており、日常のスキンシップ(抱っこ・頬ずり・会話など)を通じて伝わっていくためです。食器を分けることで感染を完全に防ぐことは、現実的には難しいのです。
「お箸を共有してしまった!」と過度に心配する必要はありません。もちろん食器の共有をおすすめするわけではないので、可能な限り避けましょう。
■ 本当に大切なのは「親御さんのお口の健康」
食器の共有よりも、もっと効果的な対策があります。それは親御さん自身のお口をきれいに保つことです。
親御さんのお口の中の虫歯菌が少なければ、どんな経路で細菌が伝わっても、お子さんへの影響は最小限になります。「子どもの虫歯を防ぐために、まず自分が定期検診に通う」これが一番の予防策です。
食器を分けることに神経質になりすぎて、家族の時間が窮屈になってしまうのは本末転倒です。スキンシップや一緒の食事を大切にしながら、親御さん自身のお口のケアに力を入れてください。
■ まとめると
洗面所のうがいコップ → 感染症・雑菌予防のため、家族でも1人1個
食事用の食器の共有 → 可能な限り避ける。でも過度に心配しなくてよい。親御さんのお口のケアが一番大切
「洗面台のコップ、どうしようかな」と思っていた方の参考になれば嬉しいです。
それでは、次回の更新もお楽しみに。
