「レントゲンって体に悪くないの?」 よくある不安にお答えします
皆様、こんにちは!院長の大内です。
「レントゲンを撮りましょう」と言われた時、「体に悪いんじゃないか」「被ばくが心配」と感じる方は少なくありません。今日は、歯科のレントゲンについての疑問にお答えします。
■ 歯科のレントゲンの被ばく量はどのくらい?
歯科で使うレントゲンの種類と、それぞれの被ばく量は以下の通りです(東京都歯科医師会のデータより)。
デンタル(数本の歯を撮影):0.01ミリシーベルト
パノラマ(お口全体を撮影):0.03ミリシーベルト
歯科用CT:0.1ミリシーベルト
これだけ言われてもピンとこないかもしれませんので、身近な例と比べてみましょう。
私たちは普段の生活をしているだけで、自然界からの放射線を年間約2.4ミリシーベルト受けています。東京〜ニューヨーク間を飛行機で移動すると、片道で約0.2ミリシーベルトの被ばくがあります。
つまり最も被ばく量の多い歯科用CTでも、飛行機の片道分程度。最も少ないデンタルレントゲンにいたっては、その10分の1です。国際線のパイロットや客室乗務員の方は年間何十往復もされていますが、被ばくが問題になることはありません。
歯科のレントゲンによる被ばく量は、日常生活の中で受ける自然放射線と比べて極めて少ない値であることが分かります。
■ レントゲンを撮る理由
「見ればわかるのでは?」と思われることもありますが、歯科の病気は目で見えるのはほんの一部です。
歯と歯の間の虫歯・歯の根っこの状態・顎の骨の量・見えていない親知らずの位置・歯周病による骨の溶け具合……これらはレントゲンなしに把握することは難しく、見た目では問題なさそうでも、レントゲンで初めて発見できる病気が少なくありません。
「症状がないからレントゲンは不要」ではなく、「症状がないうちにレントゲンで早期発見する」ことが歯を守るためにとても大切なのです。
■ レントゲン撮影時は防護エプロンをつけます
撮影の際は、鉛が入った防護エプロンをお身体にかけた状態で撮影します。これにより、撮影箇所以外の部分への放射線をさらに低減することができます。
また、歯科のレントゲンに使われるX線は撮影後に周囲の物質に吸収されて消え去るため、レントゲン室に放射線が蓄積することもありません。原発事故などで問題になる「放射性物質」とはまったく別のものです。
■ 妊娠中の方への対応
妊娠中の方が最も気にされることの一つがレントゲンです。
日本産科婦人科学会によると、妊婦さん(胎児)に影響が出る被ばく量は約50ミリシーベルトとされています。歯科のレントゲンはその数百〜数千分の1であるため、科学的には問題ないと考えられています。
ただし「ごくわずかでも影響がないとは言い切れない」という観点から、特に妊娠初期はレントゲン撮影を控えていただく場合があります。妊娠中の方や妊娠の可能性がある方は、必ず事前にお知らせください。状況に応じて、必要最小限の撮影にとどめるか、出産後に撮影するかをご相談します。
■ レントゲンは必要な時に、必要な分だけ
当院では、レントゲン撮影が必要と判断した場合は必ず事前にご説明し、患者様の了承を得た上で撮影しています。必要もなく撮ることはありませんし、逆に「撮った方が確実な診断ができる」と判断した場合はその理由もお伝えします。
「撮影について不安がある」「妊娠中かもしれない」など、何か気になることがあればいつでもお気軽にお声がけください。
それでは、次回の更新もお楽しみに。
