「キーン」と「ガガガ」 歯医者の2つの削る器具、何が違うの?
皆様、こんにちは!院長の大内です。
治療中に「あれ、今と違う器具に替わったな」と感じたことはありませんか?音が変わったり、振動の感じが違ったり。「一体何をされているんだろう」と不思議に思う方も多いと思います。
今日は、歯科治療でよく使う2種類の器具についてお話しします。
■ 歯医者には「2種類の削る器具」がある
歯を削る時に使う器具には、大きく分けて「エアタービン」と「コントラ(マイクロモーター)」の2種類があります。それぞれ役割が違い、状況に応じて使い分けています。
■ 「キーン」という音の正体 エアタービン
「歯医者に行くとあの高い音が……」という方が多いと思います。あの「キーン」という音の正体が、エアタービンです。
エアタービンは圧縮空気の力で羽を高速で回転させる器具で、なんと1分間に30万〜50万回も回転します。だからこそ、あの高い金属音が出るのです。
先端にはダイヤモンドの粉末がついた刃が取り付けられています。ダイヤモンドを使う理由は、歯の表面を覆うエナメル質が非常に硬いからです。
エナメル質の硬さをモース硬度(物質の硬さを示す単位)で表すと7。ダイヤモンドは最高値の10ですが、エナメル質はそれに次ぐほどの硬さを持っています。ガラスの切断にもダイヤモンドが使われますが、歯科でも同じ発想でダイヤモンドの粉末を使っているのです。
エアタービンのおかげで、かつては大変だったエナメル質の切削が効率よくできるようになりました。また、高速で削ると熱が発生するため、刃先に向かって水が出て冷却する仕組みになっています。
■ 「ガタガタ」と振動する感じ コントラ
もう一つの器具がコントラ(マイクロモーター)です。こちらはエアタービンより回転数が低く、音も比較的静かです。
コントラは柔らかい組織を削るのが得意です。虫歯になって柔らかくなった歯質はコントラで削ることができます。しかし硬い健全な歯質には、刃がはじき返されてしまいます。このため「ガタガタ」「ガガガ」と響くような振動が伝わることがあります。
「なんか今日は響くなあ」と感じる時、それはコントラが硬い部分に当たっているサインかもしれません。
■ 2つを使い分けることが大切
つまりこういうことです。
エアタービン → 硬いエナメル質を削る時
コントラ → 柔らかい虫歯の部分を削る時
虫歯の治療では、まずエアタービンで硬いエナメル質を削り、中の柔らかい虫歯部分にアクセスしたら、コントラに持ち替えて虫歯を丁寧に取り除く、という流れが一般的です。この使い分けがあることで、必要以上に健全な歯質を削らずに済むのです。
■ 器具の滅菌にもこだわっています
エアタービンは非常に精密な器具のため、かつては滅菌が難しく、歯科の衛生管理上の課題でした。しかし現在はオートクレーブ(高圧蒸気滅菌装置)に対応したものが開発され、患者様お一人ごとに滅菌したものをご使用できるようになっています。
当院でも全ての治療器具を患者様ごとに交換・滅菌していることは、以前の滅菌についての記事でお伝えしましたね。見えない部分でも、安心して治療を受けていただけるよう取り組んでいます。
治療中に「今どっちを使っているんだろう」と気になった時は、ぜひスタッフに聞いてみてください。できる限り分かりやすくご説明します!
それでは、次回の更新もお楽しみに。
