食育は「家庭の話」ではなく「国の課題」なんです
皆様、こんにちは!院長の大内です。
このブログでは「食育」というテーマで、よく噛む習慣や食事の姿勢、食材の選び方などについてお話ししてきました。でも「食育」という言葉、なんとなくは聞いたことがあるけれど、どういう意味かはっきり分からないという方も多いのではないでしょうか。
実は「食育」は、国が法律を作って推進するほど重要な課題と位置づけられています。今日はその背景をお話しします。
■ 食育基本法とは
「食育基本法」は2005年(平成17年)に制定された法律です。
現代の日本では、栄養の偏り、不規則な食事、肥満や生活習慣病の増加、過度な痩身志向など、食生活をめぐる多くの問題が起きています。こうした状況を受けて国は、「このままではいけない。食について正しく学び、実践できる人間を育てることが急務だ」として、この法律を制定しました。
法律の前文では、食育を「生きる上での基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるもの」と位置づけています。特に子どもたちにとっては「心身の成長と人格形成に大きな影響を与え、生涯にわたって健全な心と身体を培う基礎となるもの」と明記されています。
食育とは単に「栄養のある食事をとること」ではなく、食に関する知識を身につけ、自分で正しい食を選択できる力を育てることなのです。
■ 歯科とも深く関わる「食育推進基本計画」
法律の制定後、具体的な目標や施策をまとめた「食育推進基本計画」が作られました。第2次計画では、歯科と関係の深い内容が多く盛り込まれています。
その一つが「よく噛んで味わって食べることに関心のある国民の割合を80%以上にする」という目標です。よく噛むことは、歯の健康を守るだけでなく、消化吸収を助け、脳の発達を促し、唾液をたくさん出して虫歯や歯周病を予防する、多くの効果をもたらすからです。
また「噛ミング30(カミングサンマル)」という運動も提唱されています。これは一口につき30回以上噛むことを目標にしたもので、8020運動(80歳で20本以上の歯を残す)と連携した取り組みです。小さい頃からよく噛む習慣を育てることが、一生涯の歯と体の健康につながるという考え方です。
さらに計画では、歯科保健分野から食育を推進することが明記されており、小児期から高齢期まで、各ライフステージに応じた「食べ方の支援」を歯科が担うことが求められています。
■ 「食育」は家庭から始まる
国が法律を作り、目標を定め、学校や地域で取り組んでいるこの食育。でも実際に一番大切なのは、毎日の家庭の食卓です。
家族で食事を囲む「共食」の回数を増やすこと、朝食を欠かさないこと、よく噛んで味わって食べること。これらはすべて、この国が国民に目標として掲げていることです。
このブログでこれまでお話ししてきた「前歯でかじり取る咬断運動」「食材を大きめに切る工夫」「食事中のテレビを控える」「親御さんと一緒の食卓」……これらはすべて、国が推進する食育の考え方とぴったり重なっています。
■ 歯科医院も、食育の担い手のひとつ
「川口かぼちゃ歯科」では、虫歯や歯周病の治療だけでなく、お口の機能を育てるための食育の視点でも皆様をサポートしたいと考えています。
お子さんの噛み方が気になる、顎の発育が心配、食事の内容や食べ方についてアドバイスが欲しい……そんなご相談もぜひお気軽にどうぞ。
「食べること」は、人生の豊かさの根本です。正しい知識と習慣で、一生美味しく食べられる体を一緒に育てていきましょう!
それでは、次回の更新もお楽しみに。
