「話す」「笑う」「歌う」もお口の仕事 知られざる口腔機能のすごさ
皆様、こんにちは!院長の大内です。
これまで「食べる」「噛む」「飲み込む」というお口の機能についてお話ししてきましたが、今日はもう一つの大切な機能、「話す・笑う・歌う」についてお話しします。
声を出す、表情を作る。これらも、実はお口の精密な動きの上に成り立っています。
■ 「声を出す」には、こんなに多くの器官が動いている
私たちが言葉を発する時、舌・唇・歯・軟口蓋・声帯が、それぞれ瞬時に役割を果たして連携しています。
舌の動きだけでも、「ラ」は舌先、「カ」は舌の奥、「タ」は舌の中央と、音によって使う場所がまったく違います。「タカラ、タカラ」と発声する時、舌は波を打つように動いています。
「パピプペポ」は唇をしっかり閉じてから口の中の空気を一気に解放することで発音されます。唇がきちんと閉じられないと、「パピプペポ」が「ファフィフュフェフォ」のような音になってしまいます。
「サシスセソ」は、上下の前歯の間にわずかな隙間を作り、そこから息を通すことで発音されます。もし前歯が欠けてしまったら、「サシスセソ」が「ハーフーハーホー」のような音になってしまうのです。歯が言葉の発音にも欠かせないことが、おわかりいただけるでしょうか。
声帯は、話している間ずっと開いたり閉じたりを繰り返しながら声を生み出しています。口腔の中の各器官がこの声を受け取って、母音や子音を形作ることで「言葉」になるのです。
■ 「笑う・泣く」も、口腔機能のひとつ
声がなくても、人の表情を見れば笑っているのか、怒っているのか、悲しんでいるのかが分かります。それは唇の周り・頬・目の周りにある「表情筋」が、喜怒哀楽を表現しているからです。
「モナリザの微笑み」が世界中の人々を惹きつけるのも、口の周りのわずかな筋肉の動きが、言葉のない感情を伝えているからです。
俳優さんが唇をとがらせたり、頬を膨らませたり、口を大きく開けたりするトレーニングをするのは、豊かな表情を保つためでもありますが、こうした口や顔の体操は、咀嚼・嚥下・発声の老化予防にもつながると言われています。
■ 楽器演奏が、意識のない患者さんに奇跡を起こした
少し驚くような話をご紹介します。
ほとんど意識が回復していない患者さんに音楽療法としてサックスの演奏を聴かせたところ、無表情だった顔に赤みが差し、目が見開き、口角が上がって笑顔が浮かんだ。さらに、口から食事ができない状態だったはずなのに、スプーンが唇に触れた途端にしっかりと口が開いたのです。
サックスの音は、唇・舌・頬・軟口蓋・歯などが空気の流れを微妙にコントロールして生まれます。その音の刺激が患者さんのお口の機能に働きかけ、奇跡のような変化を引き起こしたのです。
お口の機能と感覚の深いつながりを感じさせる、印象的なエピソードです。
■ 「口は健康の窓」
お口は全身の一部です。全身の健康状態が落ちれば、口腔機能も落ちていきます。逆に、口腔機能が健全に保たれていれば、全身の健康にも良い影響があります。お口の状態は、全身の健康を映す「窓」とも言えるのです。
楽しくおしゃべりをして、笑顔で食事ができる。これは、最高の贅沢であり、まさに「健康の源」そのものだと思います。
歯科医療は、歯を治すだけでなく、こうした「話す・食べる・笑う」という人生の喜びを支えることを目指しています。
お口の機能について気になることがあれば、ぜひ「川口かぼちゃ歯科」へお気軽にご相談ください。
それでは、次回の更新もお楽しみに。
