「リハビリ」は知っているけど「ハビリテーション」って何? 歯科から考えるお口の発達支援
皆様、こんにちは!院長の大内です。
「リハビリ」という言葉は誰もが聞いたことがあると思います。骨折した後に歩く練習をする、脳卒中の後に手を動かす練習をする、というイメージですよね。
でも今日ご紹介する「ハビリテーション」は、あまり聞き慣れない言葉かもしれません。実はこの考え方、お子さんのお口の発達と非常に深く関わっています。
■ リハビリテーションとハビリテーションの違い
実は、リハビリテーション(rehabilitation)という言葉は、ハビリテーション(habilitation)に「re(再び)」がついたものです。
ハビリテーションの語源はラテン語の「habilis(できる・適した)」で、「できるようにする」という意味。そこに「re=再び」が加わったリハビリテーションは、「再びできる状態に戻す」という意味になります。
つまり言葉の構造としては、ハビリテーションが先にあって、リハビリテーションはそこから派生した言葉なのです。
整理すると、ハビリテーションは「まだ身についていない機能を、初めて獲得するための支援」であり、リハビリテーションは「一度身についた機能が失われた時に、それを取り戻すための支援」です。
脳性まひのお子さんが歩く練習をするのはハビリテーション、脳卒中の後に歩行訓練をするのはリハビリテーション、というイメージです。
■ お口にも「ハビリテーション」がある
このブログでこれまで何度もお話ししてきた「口腔機能発達不全症」。これは、年齢に応じたお口の機能がまだ身についていない状態です。
噛む、飲み込む、正しく発音する、鼻で呼吸する……これらは生まれた瞬間から自然にできるものではなく、成長の中で少しずつ学んで身につけていくものです。前々回の「食べる機能」や前回の「嚥下」のお話でも触れましたね。
この「まだできていないお口の機能を、正しく獲得するための支援」こそが、歯科分野におけるハビリテーションです。
具体的には、舌や唇・頬の筋肉のトレーニング(MFT)、正しい噛み方・飲み込み方の練習、口呼吸から鼻呼吸への改善、食事内容や姿勢の指導などがこれにあたります。以前ご紹介した「ポッピング」や「風船ふくらまし」「あいうべ体操」なども、ハビリテーションの一環です。
■ 「まだできない」を「できる」に変える力
ハビリテーションの本質は、「今はまだできないけれど、将来できるようになるかもしれない」という可能性を信じて、その力を引き出すことです。
お子さんのお口の機能は、適切なサポートがあれば大きく変わります。逆に、気づかずに放置してしまうと、機能の問題が習慣として固定され、歯並びや発音、顔立ち、さらには全身の健康にまで影響が残ってしまうこともあります。
■ 早期介入が、未来を変える
ハビリテーションで大切なのは「早期介入」です。
お口の機能の発達には「旬の時期」があります。その時期に適切にアプローチすることで、より自然に、より効果的に機能を育てることができます。成長が止まってから「やっぱり治したい」と思っても、同じことをするのに何倍もの時間と努力が必要になることがあります。
「うちの子、口がよく開いている」「食べるのが遅い」「発音が気になる」「舌の使い方がおかしいかも」……そんな小さな気づきが、実はとても大切なサインです。
■ 「できるようにする」を、一緒に
「川口かぼちゃ歯科」では、単に虫歯を治すだけでなく、お子さんのお口の機能が年齢に応じてしっかり育っているかを確認し、必要であれば「できるようにする」ためのサポートをしています。
ご家庭での取り組み方のアドバイスも含め、お子さんと親御さんと一緒に歩んでいきたいと思っています。
「うちの子、大丈夫かな?」と思ったら、ぜひ気軽に声をかけてください。
それでは、次回の更新もお楽しみに。
