「小顔でかわいい」の裏に潜む落とし穴 顎が小さく、歯は大きくなっている現代の子どもたち
皆様、こんにちは!院長の大内です。
「最近の子って、みんな小顔でかわいいですよね」
診察室でもよく聞く言葉ですが、私たち歯科医師はその「小さな顎」に、将来の歯並びや健康へのリスクが隠れていないかを、いつも気にして見ています。
今日は、現代の子どもたちに増えている「顎が小さい問題」について、少し意外な視点も交えながらお話しします。
■ 顎は小さく、歯は大きくなっている
「最近の子どもは顎が小さい」とよく言われますが、実はもう一つ、見落とされがちな事実があります。
栄養状態が改善された現代では、永久歯の大きさそのものが昔より大きくなっているという報告があります。つまり、「駐車場(顎)は狭くなったのに、駐める車(歯)は大きくなった」という状況が起きているのです。
これが、現代の子どもたちに歯並びの乱れ(叢生)が増えている大きな理由の一つです。
■ なぜ顎が小さくなったの?
大きく分けて2つの原因があります。
1.噛む回数の激減
ハンバーグ、パスタ、パンなど、現代の食卓には柔らかくて食べやすいものが増えました。噛む回数が減ることで、顎の骨への刺激が不足し、本来の大きさに育ちにくくなっています。顎の骨も筋肉と同じで、使わなければ鍛えられません。
2.口呼吸の習慣化
鼻で呼吸している時、舌は自然と上顎にぴったりと当たった状態になります。この舌の位置が、上顎を内側から押し広げる「天然の矯正装置」の役割を果たしています。
しかし口呼吸になると舌が下に落ちてしまい、この力が働かなくなります。その結果、上顎のアーチが狭くなり、歯が並ぶスペースが失われていきます。
■ 「今の歯並び」で顎の大きさを確認できる
乳歯が全部生えそろった時期、正常な状態では歯と歯の間にわずかな「すき間」があります。これは将来大きな永久歯が生えてくるためのスペースです。
もしお子さんの乳歯がすき間なくピタッと並んでいたら、それは顎が小さいサインかもしれません。乳歯の時点でぎゅうぎゅうに詰まっているということは、これより大きな永久歯が生えてくるスペースが足りない可能性があります。
鏡で確認したり、フロスを通してみて引っかかるようであれば、一度歯科医院でチェックしてもらいましょう。
■ 顎の成長を助けるためにできること
良い知らせは、成長期の子どもの顎はまだ育てることができるということです。
よく噛んで食べる
柔らかいものばかりではなく、前歯でかじり取ったり、歯ごたえのある食材を取り入れましょう。このブログでも何度かお話ししてきた「咬断運動」や「食材を大きく切る工夫」が、顎の成長を助けるトレーニングになります。
食事の姿勢を整える
背筋を伸ばし、足の裏が床にしっかりつく姿勢で食べることで、噛む力が全身にしっかり伝わります。足が届かない場合は踏み台を置いてあげましょう。以前の記事「食べる姿勢がお口の成長のカギ」でも詳しく触れましたね。
口呼吸を改善する
お子さんがいつもお口をポカンと開けているなら、舌の位置や鼻の状態を確認してみてください。以前の「舌の位置」の記事でご紹介した「ポッピング」トレーニングや、「風船ふくらまし」なども有効です。鼻詰まりが原因の場合は耳鼻科への相談も大切です。
■ 楽しい食卓が、顎を育てる
「よく噛みなさい!」と叱りながら食べさせても、お子さんは緊張して下を向いてしまい、かえって噛む力が弱くなることもあります。
家族で笑顔で食事を囲みながら、楽しく噛む習慣を作ることが一番です。怒られていると猫背になり、噛む力も弱まってしまいます。食卓を楽しい時間にすることが、じつは最高の「顎トレーニング」なのです。
■ 気になったら、早めにご相談を
「乳歯の隙間がない気がする」「口がよく開いている」「歯並びが心配」という方は、ぜひ「川口かぼちゃ歯科」へお越しください。お子様の顎の発育状態をしっかり確認し、今からできることを一緒に考えていきます。
成長期は、取り戻せない大切な時間です。「まだ早いかな」と思わず、気になった時がベストなタイミングです。
それでは、次回の更新もお楽しみに。
