親知らずが腫れた! それ、「智歯周囲炎」かもしれません
皆様、こんにちは!院長の大内です。
「奥歯のあたりがズキズキする」「頬が腫れてきた」「口が開けにくい」
こんな症状で来院される方が、特に疲れが溜まった時期に増えます。多くの場合、その原因は親知らずの周囲で起きている炎症、「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」です。
以前のブログで「親知らずを抜くべきか」についてお話ししましたが、今日は抜歯後の腫れではなく、親知らずが「なぜ腫れるのか」というメカニズムについてお話しします。
■ 智歯周囲炎とは?
「智歯」とは親知らずのこと。智歯周囲炎とは、親知らずの周囲の歯ぐきに細菌が侵入して炎症を起こした状態です。
親知らずは口の一番奥に位置しているため、歯ブラシの毛先が届きにくく、食べかすやプラーク(歯垢)が溜まりやすい場所です。これを栄養源として細菌が増殖し、歯ぐきの組織に炎症が広がっていきます。
最初は歯ぐきの軽い赤みや違和感程度ですが、放置すると強い腫れや膿、口が開けにくくなる、発熱、顔全体が腫れるといった症状にまで進行することがあります。
■ 炎症が広がる3つのステップ
1. 食べかす・プラークの蓄積
歯ぐきと親知らずのわずかな隙間に汚れが入り込み、違和感が出始めます。
2. 細菌感染
溜まった汚れを餌に細菌が増殖し、歯ぐきが局所的に赤く腫れ始めます。
3. 炎症の拡大・化膿
炎症が進むと膿が溜まり、頬や顎まで腫れが広がることがあります。口が開けにくくなったり、発熱を伴ったりすることも。ここまで来ると、応急処置だけでなく本格的な治療が必要になります。
■ 腫れやすいのは「下の親知らず」
親知らずの中でも、特に下の親知らずは腫れやすい傾向があります。
上の親知らずと比べて、下顎の骨は厚く構造が複雑なため、親知らずが真っ直ぐ生えにくいのです。斜めや横向きに生えている場合、歯ぐきとの間に深い隙間ができ、汚れが溜まりやすい環境になってしまいます。
生え方による炎症リスクの違いをまとめると、真っ直ぐ生えている場合はリスクが低めですが、斜めに生えている場合は歯ぐきとの隙間に汚れがたまりやすく、歯ぐきや骨の中に埋まっている「埋伏」の場合は汚れを取り除くことができないため炎症リスクが非常に高くなります。
■ 「疲れた時だけ腫れる」のはなぜ?
「いつもは大丈夫なのに、疲れている時だけ腫れる」という経験をお持ちの方もいらっしゃいます。これは、疲労やストレスで免疫力が下がった時に、普段は抑えられていた細菌の勢いが増して炎症が起きやすくなるためです。
「繰り返し腫れる」という方は、その親知らずがトラブルの火種になっている可能性があります。体調が落ち着いているうちに、一度しっかり診てもらうことをおすすめします。
■ 隣の歯にも影響が出ることがある
親知らずの炎症が繰り返されると、すぐ隣にある大切な奥歯にも影響が及ぶことがあります。二つの歯の間に汚れが入り込み、隣の歯まで虫歯や歯周病になってしまうケースは少なくありません。
「親知らずだけの問題」と思っていたら、気づかないうちに隣の歯まで巻き込まれていた……というのはとても残念な結果です。
■ 腫れたら、まずご連絡ください
智歯周囲炎は、抗生物質や消炎剤での応急処置で一時的に落ち着かせることができます。しかし、根本的な解決のためには、その親知らずを「抜くべきか・残せるか」をしっかり診断することが大切です。
「川口かぼちゃ歯科」では、レントゲンで親知らずの向きや根っこの状態、隣の歯への影響を確認した上で、最適な対応をご提案します。
「また腫れてきた」「なんとなく奥が痛い気がする」と感じたら、我慢せずにお気軽にご連絡くださいね。
それでは、次回の更新もお楽しみに。